歩く台東区

台東区内を中心に歩き回って撮った写真と、その際の感覚の記録。

22. 鷲神社(旧村社) 台東区千束3-18-7

由来

ja.wikipedia.org

鷲神社(おおとりじんじゃ)は、東京都台東区千束3丁目にある神社である。「おとりさま」の通称でも呼ばれ、11月の例祭は「酉の市(とりのいち)」として広く知られる。

otorisama.or.jp

鷲神社は天日鷲命(あめのひわしのみこと)日本武尊(やまとたけるのみこと)をお祀りした由緒正しい神社です。現在は「おとりさま」として一般にも親しまれ崇敬を集めており、また十一月の例祭も現在は「酉の市(とりのいち)」として広く知られています。

見どころ

 上の公式サイトを見ても分かる通り、良い意味で商業的な神社。催しとして「酉の市」を商売繁盛に位置づけて毎年二回開いており、お隣長國寺とタッグを組んで酉の市起源発祥を謳っている。その規模感もかなり大きなもので、境内いっぱいに広がる3m級の屋台に貼り詰めた縁起熊手を売りに売る人々と、それを買い求める津々浦々の商売人たちがあちこちで「これからも頑張っていきましょうァ!」などと三三七拍子や鬨の声をあげる様は非常に見ごたえがあった。江戸時代から続く風習ということで、歴史ある浅草の一幕という風合いである。

 同時に目を引くのが昇殿ど真ん中、賽銭箱の直上に配置されているなでおかめ。曰く、

【鷲神社「なでおかめ」の云われ】

おでこをなでれば賢くなり 目をなでれば先見の明が効き

鼻をなでれば金運がつく 向かって右の頬をなでれば恋愛成就

左の頬をなでれば健康に 口をなでれば災いを防ぎ

顎(あご)から時計回りになでれば物事が丸く収まると云う

 とのことで、よく眺めると各部位に歴史を感じる擦れ跡が認められる。存在を知っていれば神社外の道なりからもその存在を目視で確認できるので、ちょっと覗くだけでも雰囲気を掴めるかもしれない。子どもの体長ほどもある木造りの立体おかめ顔が賽銭箱にデンと載っている様は他では拝めない風体である。文化的だ。

所感

 とても良い。中には座って休める休憩スペースもあり、浅草巡礼の際には良い止まり木になるだろう。祭りの関係か参道の脇には広々とスペースが開いており、おかげで閉塞感もない。都会の喧騒から離れたところにある神社として必要十分を備えた場所だなあと思うし、二階には渡り廊下と何らかの舞台があるので、他の行事や節目にも何かを行うのだろう。ただあり続けるだけでも価値があるが、地域の文化拠点として積極的に動いていることが非常に好感を持てた。

 これは酉の市の中日に撮った〝無〟の空間。行こう、色んな時間の鷲神社(浅草)。

はじめに

 職場が台東区内になり、近くに引っ越すことになった。前に住んでいた場所が海に近い埋め立て地で、神社や寺に乏しい土地であった。なのでこの浅草や上野や入谷を擁するこの台東区という地所が物珍しくまた面白く、せっかくなのでそこいらを歩いた素朴な感覚の記録を残したいと思い、このブログを立ち上げた。面倒くさがりで雑な性分なので食事やら他の旅先でのあれこれやらも一緒くたに書くことになるに違いないが、一応の建前として「神社仏閣巡り」という題目を立てておくことにする。

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